第75回日本生物工学会大会 (2023) では、 シンポジウム課題を2022年11月1日 (火) ~2022年12月28日 (水) に公募しました。本大会では、2023年9月3日 (日) ~5日 (火) の3日間に亘って、以下の22件のシンポジウムを開催いたします。
1. 創立100周年記念シンポジウム 生物工学の未来 (2050年) 第4回
—メディカル・バイオエンジニアリングの将来展望—
本部企画
青柳 秀紀 (筑波大), 本多 裕之 (名大), 上平 正道 (九大), 竹山 春子 (早稲田大), 吉野 知子 (農工大), 章 超 (霧島酒造)
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企画委員会では100周年記念事業として、生物工学会の会員が参画でき、学会としても重要なテーマ (食、環境、医療など) を対象に、産、学、官の立場から、生物工学の未来 (2050年) を皆様で考える契機となるシンポジウムをシリーズ (全5回) で実施する。本シンポジウムはその4回目である。今回は医療 (メディカル・バイオエンジニアリング) の将来を展望する。
2. KSBB-BEST-SBJジョイントシンポジウム
第一部:酵素・微生物工学の新潮流 (New Trends in Enzyme and Microbial Technology)
第二部:動物細胞工学の最先端研究 (Current Advances in Animal Cell Technology)
本部企画 国際シンポジウム
藤山 和仁 (阪大),中野 秀雄 (名大)
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3. 博士人材のためのキャリアパスシンポジウム
生物工学若手研究者の集い
青木 航 (京大),蟹江 慧 (近大),曽宮 正晴 (阪大),三浦 夏子 (大阪公大),徳山 健斗 (中外製薬)
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学生や若手研究者などの博士人材が明確なキャリアパスを思い描くためには、先達のキャリアパスを知ることが大きな助けとなります。しかし、そのような情報に触れる機会はいまだ少ないのが現状です。本シンポジウムでは、産・官・学のさまざまな領域で活躍中の若手PhDをお招きし、多様な活躍の場を一望することで、学生や若手研究者が将来を楽しく思い描くための一助としたいと考えております。
4. 東南アジア国際シンポジウム
—東南アジアにおけるバイオテクノロジーとバイオものづくりの今—
関西支部 国際シンポジウム
大橋 貴生 (摂南大),尾島 由紘 (大阪公大)
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東南アジア諸国連合 (ASEAN) と我が国は、アジア地域の平和と安定、発展と繁栄のために、法の支配や民主主義といった価値を共有するパートナーとして緊密な協力関係を長らく築いてきました。バイオテクノロジー分野では、経済成長とSDGs達成の両立を目指した“バイオものづくり”や“カーボンニュートラル”の実現に向けて、豊富なバイオマスや生物資源を有する東南アジア諸国とさらなる相互理解やネットワーク構築が重要であり、本シンポジウムでは、その機会を提供します。
5. 生命科学研究の革新に向けたバイオDXの挑戦 【JST・CREST「データ駆動・AI駆動を中心としたデジタルトランスフォーメーションによる生命科学研究の革新 (バイオDX)」研究領域 共催】
岡田 康志 (理研/東大),高橋 恒一 (理研/慶大),石井 純 (神戸大)
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JST CRESTのバイオDX研究領域 は、情報科学・工学・生命科学が三位一体となって生命科学研究におけるデジタルトランスフォーメーション (DX) を推進する、いわば「データ駆動型・AI駆動型」の研究によりこれまでは手が届かなかったような高度な科学的発見を目指している。本シンポジウムは、CRESTバイオDX研究領域の趣旨や最新の研究内容を紹介することで、生物工学におけるバイオDXの可能性を探る契機にしたいと考えている。
6. プロテインクライシスに挑む未来タンパク資源の製造・加工技術の開発と新たな食システムの創成を目指して
小川 順 (京大),長森 英二 (大阪工大),矢田 美恵子 (バイオインダストリー協会)
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喫緊の課題であるプロテインクライシスに挑むため、微生物改変技術、植物育種技術、プラントベースフードや培養肉・微生物肉の大量培養技術、加工技術、食感・風味改善、3Dプリンタによる加工技術、さらには未来タンパク資源の受容拡大に向けた消費者の心理学的課題の解決など、社会実装の鍵を握る様々な技術的・社会的課題を抽出・精査し、新たな食品システムの創成につなげたい。
7. 無細胞タンパク質合成系の新展開:ラボからインダストリーへ
加藤 晃代 (名大),Jasmina Damnjanović (名大),中野 秀雄 (名大)
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無細胞タンパク質合成系は、日本で多くの先駆的な研究が行われ、数多くの大学発ベンチャーが生まれてきた研究領域である。基礎から応用、さらには産業化へ進展しつつある本領域の、新潮流を俯瞰し、より多くの方に興味を持ってもらえるシンポジウムとしたい。
8. サーキュラーバイオエコノミーにむけたバイオものづくりの発展
細川 正人 (早稲田大),近藤 昭彦 (神戸大)
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合成生物学を代表とするバイオものづくりは、化石資源に依存しない物質生産として期待され、我が国における持続可能な開発目標の達成のみならず、将来の経済安全保障にも深く関わる。本シンポジウムでは、サーキュラーバイオエコノミーという新たな産業構造が予測されるなかで大学発スタートアップを含めた産学連携で進められている研究動向を共有する。加えて、研究開発・社会実装に向けた政策の観点から、日本のバイオものづくりが目指すべき方向を議論する。
9. リグニンの利用に向けたホワイトバイオテクノロジーの潮流
園木 和典 (弘前大),政井 英司 (長岡技科大)
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持続可能な社会の実現に貢献する技術の一つに、非可食バイオマスからの産業に有用な化成品原料生産が挙げられる。本シンポジウムでは、セルロースに次ぐ賦存量を誇りながらも、化学構造の不均一さからその利用方法が限定的である天然芳香族高分子「リグニン」を化成品の原料へと転換する技術の創出に向けて、リグニンの化学構造解析から化学構造の改変・均一化に向けた取組みまで、リグニンの付加価値化に向けた研究開発事例とその展望を共有する機会を提供したい。
10. データサイエンスと環境バイオテクノロジーの接点
簡 梅芳 (東北大),堀 知行 (産総研)
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環境バイオテクノロジーの実環境への適用には、環境・生物間相互作用への理解・予測・制御が重要である。データサイエンスは、生態学やバイオの関連分野において環境予測や生態観測などに役に立つことが示されてきたが、環境バイオテクノロジーを含む生物工学分野における応用例は少ない。本シンポジウムでは、生態学やバイオ分野の第一線で活躍されるデータサイエンティストにご講演いただき、環境生物工学の視点からデータサイエンスの適用と展望について議論する。
11. 酵母という生き物~生態学的ふるまいとその多様性の理解に向けて
渡辺 大輔 (奈良先端大),清家 泰介 (阪大)
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酵母とは単細胞性の真菌類の総称であり、1,500を超える多様な種が知られている。酵母は、真核生物のモデルとして学術研究に用いられると共に、発酵生産をはじめとする生物工場の宿主としても不可欠である。ところが、人類に発見・利用されていない種も含め、酵母がどのようにふるまい適応しているのかに関する「真の生態」については未知な点が多く残されている。本シンポジウムでは、フィールド研究から分子生物学的解析・オミクス解析に至る幅広い手法により明らかにされた、酵母の「生き物」としての多様性に関する新たな気付きを与えることを目的とする。
12. 森も木も見る微生物研究:連携による集積知
阿座上 弘行 (山口大),野村 暢彦 (筑波大)
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持続可能社会の実現に向け、利用価値の高い微生物の獲得熱が高まっているが、微生物に対する研究手法は多様化かつ専門的になっている。このような中で、SDGsの達成に貢献できるブレイクスルー技術の確立には、研究者間にとどまらず、組織的な連携が求められる。国内には、独自の有用微生物資源や専門技術を有する微生物研究機関が幾つかあるが、既に機関連携が始まっているものや始まろうとしているものもある。本シンポジウムでは、それぞれの強みを持つ研究機関の連携によって見えてくる新たな微生物による生物工学研究の新展開について議論したい。
13. INTPART-MISC国際ジョイントシンポジウム 【INTPART-MISC共催】
国際シンポジウム
吉本 将悟 (名大),中谷 肇 (名大),堀 克敏 (名大)
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微生物の付着は、宿主へ感染やバイオフィルム形成などの原因となる一方で、排水処理やバイオリアクターではプロセスの効率化のため活用されており、幅広い分野で重要な現象である。本シンポジウムはINTPART-MISC (Microbial Surface Colonizationに関するノルウェー-中国-日本の三カ国間交流プログラム) の協賛として使用言語を英語とすることで、本分野について多様な観点から演者や聴衆が議論できる場を提供する。
14. 多様な生体分子を基盤とした分子ピタゴラ装置の創出
国際シンポジウム
本田 孝祐 (阪大),木賀 大介 (早稲田大),松浦 友亮 (東工大)
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合成生物学の発展に伴い、天然の生物機能の再現にとどまらない新規で有用な生体分子マシナリーの構築を目指す研究が活発化している。本シンポジウムでは、各種の生体分子に合成化学・材料科学・計算科学・電気化学から提供される多様な素材や手法を組み合わせ、天然には存在しないユニークな分子マシナリー (分子ピタゴラ装置) の創出に取り組む研究者ら取り上げる。国内ならびにアジアを中心とした諸外国より関連分野の研究者を招へいし、それぞれの研究事例について学ぶとともに新たな着想を得るための議論の場とする。
15. 未知の生命情報を獲得するためのバイオ分子ツールの設計と機能創出
山口 哲志 (東大),神谷 典穂 (九大),座古 保 (愛媛大)
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データサイエンスの発展に伴い、生命システムに関わる膨大な情報が、医療や産業に利活用され始めている。このような潮流において、重要な生命現象や疾病に関わるこれまでに獲得できなかった情報を得る新しい技術がますます重要となっている。そこで、本シンポジウムでは、未知の生命情報を獲得するためのバイオ分子ツールを設計・創出して、分子や細胞を時間的・空間的に制御し、選択的に可視化する技術について、最新の研究成果と今後の展望について議論する。
16. 微生物炭素固定代謝の多様性に基づく合成生物学
跡見 晴幸 (京大),阪井 康能 (京大)
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いままでの微生物を用いた代謝工学・合成生物学は主として糖質化合物を基質として進められてきた。本シンポジウムでは微生物代謝の多様性を念頭に、二酸化炭素・メタン・メタノールなどに代表されるC1化合物を炭素・エネルギーの基質として利用できる微生物に焦点を当て、それらの特異な代謝とその利用に関する研究例を紹介する。今後の展開を議論・整理することにより、炭素固定代謝に基づいた新しい合成生物学のプラットホームを築く。
17. 高分子医薬品モダリティーの創薬と製剤を加速する未踏分析技術へのグローバルな挑戦
松田 史生 (阪大),内山 進 (阪大),馬場 健史 (九大)
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近年、最先端のバイオサイエンスとテクノロジーは高性能化された革新的分析・計測技術のもとで生み出されているが、未踏の研究領域を切り拓くためのさらなる分析・計測技術の進化への期待も大きい。そこで本シンポジウムでは、特に創薬・製剤分野でのニーズが高いタンパク質などの”生体分子を観察する”技術を対象として、日本生物工学会が持つ先駆的な研究ニーズと、分析機器メーカが有する最先端分析・計測シーズに関わるアカデミア研究者と企業技術者の講演および議論を通じ、世界に勝てる最先端の研究開発と、その実現に必要な計測技術開発との幸せなコラボレーションの可能性を議論する場としたい。
18. 下面発酵酵母のすべてを理解するために
野田 陽一 (東大),善本 裕之 (キリンホールディングス)
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下面発酵酵母は、世界のビール製造の90%以上を占めるピルスナータイプのビール製造に用いられているビール酵母の一種である。2種の酵母のハイブリッドであり複雑な染色体構造を持つため、安定なビール品質を維持するために,またハイブリッド形成による進化に関する知見を得るために,この酵母の染色体の動態や各機能の理解を深めることは重要である。そのためにビール会社と大学の連携は基礎、応用の両面において極めて有意義であり、本シンポジウムでは産学の研究成果を紹介する。
19. セルインダストリー発展に向けた細胞製造工学の進化
~世界をリードする細胞製造を目指して~
宮本 義孝 (国立成育医療研究センター),堀江 正信 (京大),加藤 竜司 (名大)
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ヒト細胞を大量製造する科学と技術の発展は、再生医療や幹細胞科学の社会実装と産業化の実現において必須であると共に、未だ学問的全体像が確立されていない開拓途上の生物工学分野である。本シンポジウムでは、「細胞製造工学」における先端的取り組み (先端技術、プロセス開発コンセプト、国際標準化) を紹介すると共に、日本が世界競争力を持つために開発・研究が必要な学問的要素を明確化し、生物工学の可能性を議論する。
20. 合成生物学が切り拓く次世代型天然物創薬
恒松 雄太 (名大)
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ポストゲノム時代の今、天然物生合成研究は急速に発展しており、人為的な生合成改変、非天然型新規化合物の創出、コンビナトリアル生合成による化合物ライブラリーの構築、制御因子・低分子エリシターなどによる二次代謝の人為制御、希少有用物質の安定供給など合成生物学的アプローチが実用的なレベルに達しつつある。本シンポジウムでは、これら研究の最前線、および、深化した生合成系デザイン技術を用いた有用分子の開発、すなわち次世代型天然物創薬樹立に挑戦する若手研究者を中心とするシンポジウムを企画した。
21. データ駆動型研究が導く未培養微生物 (微生物ダークマター) の開拓と展望
青柳 秀紀 (筑波大),堀之内 貴明 (産総研)
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自然界の微生物の99%以上は培養化されておらず、未利用のまま存在している。これらの解明や利活用ができれば、医薬、環境、発酵、食品など様々な分野で多大な貢献が可能であり、今後の生物工学分野の発展の鍵といえる。近年の大規模計測や情報解析技術の革新は、これまでの仮説検証型の研究スタイルに加え、新たにデータ駆動型の研究スタイルを可能としており、未培養微生物 (Microbial dark matter) 分野は新たな局面を迎えている。本シンポジウムでは、大規模計測とデータサイエンスを基盤としたデータ駆動型研究による未培養微生物の開拓や機能解明に取り組む気鋭の研究者を学会内外より招聘し、研究成果の紹介と将来の展望を議論する。
22. 醸造・発酵の新たなブレークスルーに向けて
本部企画
山田 翼 (菊正宗酒造) ,秦 洋二 (月桂冠) ,章 超 (霧島酒造) ,安原 貴臣 (アサヒクオリティーアンドイノベーションズ)
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醸造・発酵技術は、わが国で長年にわたって蓄積されてきた貴重な技術資産であるが、近年新たなブレークスルーに向けた研究開発が進められている。創立101周年を迎える生物工学会において、さらなる産学連携の強化を図るため、当該分野の最新の技術開発成果を講演していただく。