新会長を拝命して

会長 飯島信司

この度、日本生物工学会会長に就任いたしました名古屋大学大学院工学研究科の飯島信司です。80年を超える伝統を誇る由緒ある日本生物工学会の会長の重責を拝命し、身の引き締まる思いが致します。理事、支部長、評議員をはじめ会員の皆様のお力添えをいただき、本会の発展に微力ながらお役に立ちたいと思っております。

過去2年間は、塩谷会長のリーダーシップのもと英文誌のオンライン化と発行に必要な経費の削減という大改革がなされ、学会の財政難という大問題もひとまず決着致しました。しかしながら、生物工学会をめぐる諸般の事情はひきつづき大変厳しくまた流動的であるのも事実です。特に公益法人制度の改革により私ども学会も一般法人となるか、あるいは公益法人に移行するかの選択をせまられております。前理事会、アドバイザー会議においても、この際公益法人へ移行すべきではないかというご意見を頂戴しており、その準備を進めて参りたいと思っております。移行までの期限は5年間ですが、大至急公益法人としての新たなる学会の姿を明らかにし、会員の皆様のご判断を仰ぐ所存でございます。

さて過去を振り返れば歴代の会長、先達のご努力により学会のアイデンティティーの確立、電子情報化、英文誌、和文誌の改革がなされ、それらが結実して現在の学会があると考えております。今後もこのような先人のご努力を継承しつつ、また会員の皆様のご意向はもちろんのこと、アドバイザー会議でのご意見、さらに前期理事会活性化ワーキンググループの答申などをふまえ改革を進めてまいりたいと思います。これらのご意見を拝見いたしますと、会費を払っても十分満足できると思って頂ける会員サービスや、これなら積極的に寄付をして学会活動をサポートしようとお考えになるような開かれた社会活動など、学会の将来像の確立がきわめて重要と考えます。これは学会の存在意義や、法人化で問題となっている公共性、さらに学会を維持運営するための財政基盤にかかわる問題とも言えます。

一方、歴代編集委員長のご尽力で、英文誌JBBは海外からの投稿が年に240に迫り、インパクトファクターも1.7を越えるなど国際誌として飛躍して参りました。また近隣諸国では、アジアを束ねるバイオテクノロジーの連合を作る動きなども見られます。経済的にも発展著しいアジアにおいて、我学会が生物工学をどのようにリードしていくかも大至急方策をたてなければなりません。このような観点から言えば、1)会員の皆様にさらに大きな存在意義を認めて頂ける学会になる。2)アジアをリードする学会になる。ということが本学会のめざすべき、いわば学会活動の両輪と言えるかも知れません。これらは5年や10年で結論がでる問題でもありませんが、公益法人化を良いチャンスとして議論を開始できればと考えております。

以上のような視点より次のような活動について重点的に推し進めて参りたいと考えております。
 

公益法人化をにらんで

 1. 新法人法に対応した学会組織、会計処理の変更
 2. 公益性の高い学会活動の模索
 3. 学会行事の見直し、研究部会、支部活動の充実

会員サービスの向上、学会運営の透明性の向上をめざして

 4 .電子情報化のさらなる推進と和文誌の充実
 5. 産学官連携の強化
 6. JABEE活動の推進

世界を見据えた学会のプレゼンスを高めるため

 7. 英文誌の充実
 8. アジア諸国の関連学会との連携、海外会員のあり方の検討

このような方針を掲げても、また目標のどれをとっても実現に困難が予想されますが、幸いにも役員選考委員会では強力な理事の方々を選んでいただいておりますので、少々安心しております。産学連携・企画の総括は奥村康副会長、将来問題検討については原島俊副会長に担当していただきます。また、誌面の都合上、各理事の担当の詳細は割愛させていただきますが、編集、国際化、会計、庶務など、強力な理事の方々に担当していただいておりますし、支部長の先生方にも熱心に活動していただいております。なるべく早期に、それぞれの活動方針についてはアクションプランを決め、活動を展開する予定です。

最後に一言、生物工学会は皆様の学会です。会員の皆様、事務局の皆様のご協力なくしては一歩も前に進みません。皆様のご協力を重ねてお願い申し上げますと共に、忌憚のないご意見ご助言をお願い申し上げます。

2009年6月
日本生物工学会会長
飯島信司


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