Published by 若手会 on 20 8月 2018

第4回電子討論会「研究における事故」 – 溶媒~その後の議論

  • K: 以前の電子討論会で、うちではフタ付きのプラスチック容器を使っています。Sigmaなどの試薬瓶が入ってくる容器です。フタをした時の密閉性が良いので、エタノールを入れたまま保管できて便利です。一度火が入ったことがありますが、フタをしてすぐ消火できました(容器の口が少し溶けたので交換しました)。と投稿しましたが、ある方から、フタをして消そうとしたが、容器がプラスチック製だったので熱で変形し、消火できなかった事例があると教えて頂きました。この事例では、当事者はフタで消せなかったためパニックになり、結局粉末消火器で消火したそうです(背に腹は代えられませんが、粉まみれになった研究室の状態は想像するのも怖いですね)。Tさんが仰るように、金属製が最も安全です。私の発言を取消してお詫びします。

    カタログを見ると、直径70mm、高さ90mmのステンレス保存容器が安くてよさそうなのですが(KENIS、342-760、980円)、Tさんはどのような容器を購入されたんですか?
     
  • T: 深型キッチンポット(科学機器419-32-20-01)の身だけ使い、中(液量)が見えるように、身の外径90mmのガラスシャーレのフタをして使っています。残った部分の使い道がないので、バラで売ってくれませんかメーカーさん(^^;アルコールを入れるためのステンレス製容器とガラス製フタの組み合わせでも安全ではないので、自己責任で、お使い下さい。中のアルコールに引火した経験は未だ有りません。引火したらフタをするつもりですが、ガラスが割れる可能性もあります。重心は低いですが、容器ごと倒し、アルコールを自分の方に流すのが一番危険です。また、引火しても、他に可燃物がない状態で使うのが一番です。もっといい物が有りましたら教えて下さい。
     
  • S: 話題からそれますが、私は市販のコーンラージ棒を複数用意して、毎回オートクレーブして使っています。市販のものは火炎滅菌に耐えられませんし、(ひびが入り割れる)そのほうが、クロス・コンタミもしにくく、気が楽です。ディスポの製品も有るようです。
     
  • T: 確かに、アルコールを使わないのが一番ですね。本当に必要なのか、他の方法に変えることは出来ないのか考え直してみます。
     
  • K: 仰る通りですね。良く考えてみると、企業に勤務していた時は、軟質ガラス棒の先をバーナーで溶かしてヤットコで少しつぶして斜めにしたもの (歯医者さんが歯の裏見るとき使う鏡のような形をイメージして下さい)を 50本ぐらい作って、オートクレーブで滅菌して使っていました。

♦関連記事:第4回電子討論会「研究における事故」 – 溶媒

 

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Published by 若手会 on 30 7月 2008

第4回電子討論会「研究における事故」

人間は他の動物と同様に、基本的には痛い目にあわないと学習しない動物です。しかし、動物とは異なり、人が痛い目に会ったのを見聞きしても学習することができます。皆さんは安全に実験を行うために色々な工夫をされていることと思いますが、研究をより安全に行い、安全な研究を指導するためには、事故の事例をより多く知ることも大切だと思います。

日本生物工学会の「生物工学若手研究者の集い」(通称:若手会)が主催するバイオテクノロジーフォーラム(BTF)では、研究における事故、あるいは事故に至らないまでもヒヤッとしたりハッとした事例について電子討論会を行いました。以下はフォーラムに寄せられた内容を、分類して編集(ほぼ原文のまま)したものです。

内容は、BTF 会員の自由な討論に基づくものであり、不適切なもの、不確実なものが含まれることをご了解の上でご覧下さい。

ご意見、ご批判がございましたら世話人の片倉()までお寄せ下さい。また、他の事故事例をこのHPに紹介して頂ける方も片倉宛メールをお願いします。


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