Published by 学会事務局 on 26 5月 2025

【ご挨拶】100年先も輝く生物工学会の基盤を築く – 清水 浩

第25代日本生物工学会会長清水浩

第25代会長
清水 浩

このたび、2025年度より日本生物工学会第 25代の会長を拝命することとなりました大阪大学情報科学研究科バイオ情報工学専攻の清水浩です。私が本会に最初に参加したのは大学院生の大会の時でした。熱い議論に感銘したのを覚えています。以来、35年あまり私の研究人生は本会活動がその中心にあります。微力ではございますが、副会長の青柳秀紀先生(筑波大学)、安原貴臣先生(アサヒクオリティーアンドイノベーションズ株式会社)をはじめ強力な理事メンバーとともに学会の発展に努めたいと思います。

本会は、2022年に100周年を迎え、多くの皆様のお力添えを持ちまして無事100周年記念事業を終えました。改めて心よりお礼申し上げます。本会は1923年に大阪醸造学会として設立され、醗酵工学会を経て日本生物工学会と改名し現在に至っております。100周年記念誌に記されているように醸造に端を発し現在は生物工学の中心学会としての地位を築いています。次の100年後も輝く学会であり続けるために活動の継続と発展を進めたいと思います。

英文誌 Journal of Bioscience and Bioengineering(JBB)は 2023年の IFが2.3となり、生物工学分野の先端研究成果を発信する国際誌に発展しました。そのことは、日本の生物工学分野のプレゼンスを世界に示しております。皆様の引き続きの積極的な投稿をお願いします。和文誌はさまざまな特集や企画を通じて、読み応えのある記事を掲載発信し続けています。速報性が重要な情報はホームページへ移し、読み物としての魅力を大きくしたいと思います。

本会の大きな特徴の一つは、産学官の会員が情報交換を行うことにあり、大会や SBJシンポジウム、和文誌企画、さらには研究部会の活動を通じて新規研究分野のコミュニティの形成、活性化を支援したいと考えています。100周年を機に韓国生物工学会(KSBB)や台湾生物工学会(BEST)のみならず、ASEAN諸国の生物工学関連学会とも交流が始まりました。今後も大会の国際性など運営方法を議論していきます。

2025 年は改正公益法人法が施行されます。2011年公益法人として認可されて以来その趣旨に沿って着実な活動を行っており、公益事業としての活動や財政基盤の安定化が図られました。この度の改正にともなって外部理事・外部監事の任用など、より公正で開かれた学会として活動してまいります。

本年は学会事務局の体制が変化する時期でもあります。事務局長の定年退職をはじめ事務員が数年の間に異動するため、新たな事務局長、事務員を迎えました。また、これと同時期に会員情報管理システムや大会運営システムの更新などにも取り組み各種活動の効率化を図っています。このような取組みは本部のみでは達成できませんが、すでに各支部のご理解も得て着手しております。今後も本部と支部が協力し、皆様の活動が行いやすくなるインフラを整え、本部・支部を問わず快適な運営につながっていければと考えています。人やシステムが変わる時期にあたり、ひと時ご不便が生じる可能性がありますが、皆様の温かいご支援をお願いします。

100年後の生物工学会はどのように発展しているでしょうか。現在の地球規模の問題や医療、健康、食糧などの社会課題を乗り越えるため、生物工学は日本や世界を支えるキーテクノロジーの一つとして期待されています。基礎および応用研究において分野の垣根を越えて AI や情報、分析科学、ナノテクノロジー、ロボティクスなどなど、さまざまな分野との融合が起こりつつあります。イノベーションは分野どうしの境界で生まれ、発展するとも言われています。これらを生み出す源泉は会員皆様の中にあり、学会内外の分野とのネットワーク形成にあると思います。本会が生物工学分野の魅力のある学会であり続けられますよう、尽力したいと思います。会員の皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。

2025年5月
日本生物工学会会長
清水 浩

 

【歴代会長挨拶】

Published by 学会事務局 on 19 6月 2023

【ご挨拶】新会長を拝命して – 秦 洋二

秦 洋二会長(2023年6月)

第24代会長
秦 洋二

2023 年度より、日本生物工学会会長を拝命することになりました月桂冠株式会社の秦洋二です。初めて民間企業所属の学会長となることに不安があることは事実ですが、清水浩先生(大阪大学)、青柳秀紀先生(筑波大学)という 2 人のアカデミアの副会長とともに学会発展に貢献していく所存です。学会員各位のご理解とご協力のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。

【創立100周年記念事業について】
2022年は学会創立100年に当たり、福﨑前会長のもと多くの記念事業を行うことができました。10月17日には千里ライフサイエンスセンターにおいて記念式典、受賞講演、創立100周年記念シンポジウムを開催いたしました。コロナ禍の中、当初予定していた会員が一同に集まる式典はできませんでしたが、ハイブリッド開催によって多くの会員と周年事業を共有できたと思います。その他にも記念誌『日本生物工学会100年史』『ひらくひらくバイオの世界(英語版)』などさまざまな記念発刊も行うこともできました。このような100周年記念事業を行うにあたり、非常に多数の個人、団体からご寄付を賜りましたこと、ここに改めて厚く御礼申し上げます。100周年とは歴史の大きな区切りでありますが、次の100年に向けてのスタートでもあります。創立100周年事業で醸成した熱気を保ちつつ、新たな歴史に向けて活動の継続を進めていきます。

【産学官にとって魅力ある学会】
創立当初より生物工学会は積極的に産学連携が進められており、これまでにも多くの連携成果を残すことができました。ただ近年は産業側の会員数や年次大会の発表の減少が顕著になっており、産側の学会離れが危惧されています。ただ、年次大会には産学官の多くの参加者が講演を聴講するなど、学会が発信する情報の魅力が見劣りしているわけではありません。産学官いずれの分野においても魅力ある学会を目指すには、年次大会の活性化を促進することと研究部会活動の継続的発展だと考えています。これまで学会が果たしてきた産学官の交流の場に多くの会員が集うような仕組みを作っていきたいと考えます。P.F.ドラッカーによれば、イノベーションとは「新しく創造した価値を顧客に提供する」とされています。単なる発見、発明に留まらず、社会実装による価値提供が必要です。まさしく生物工学会がその推進力となり、学会が関係する分野のイノベーション創出に貢献できるよう努めていきたいと考えます。

【ポストコロナに向けた新しい学会のスタイル】
我々は新型コロナウイルス感染拡大によって、多くの行動制限を受け、不自由な思いをしました。学会活動も同様に、年次大会が中止またはリモート開催になるなど大きな影響を受けました。本年はコロナウイルス感染が収束に向かい、コロナ禍前の状況に戻りつつあります。ただ我々はコロナ禍で苦しい思いをしただけでなく、多くのことを学びました。学会のスタイルもオンラインなどのデジタル技術を普通に使用できるようになりました。このデジタル技術の普及は、時間や場所を選ばない新たな学会活動を可能にするものであります。今年は名古屋にて対面方式の年次大会が復活し、昨年できなかった100周年記念祝賀会を実施します。
このようなコロナ禍前のスタイルを復活させるだけでなく、ポストコロナにおける新たな学会活動を模索し、会員の皆様の満足度を高める努力をいたします。

学会活動の目的は、当該学問分野の発展、普及と研究者、技術者の育成であると考えています。そのためには、なによりも会員同士のコミュニケーションが重要です。多様な分野の研究者、技術者が生物工学会というプラットフォーム上に集い、闊達な議論をすることが重要です。これからも多くの会員に学会活動に参加していただき、会員間でのコミュニケーションをさらに深めていただければ幸いです。どうぞよろしくお願い申し上げます。

2023年6月
日本生物工学会会長
秦 洋二

 

【歴代会長挨拶】

 

【生物工学会誌 巻頭言】

►生物工学会誌 –『巻頭言』一覧はこちら

Published by 学会事務局 on 20 4月 2021

生物工学会誌 –『巻頭言 “随縁随意”』第87巻(2009年)~第98巻(2020年)

こちらでは生物工学会誌第87巻(2009年)~第98巻(2020年)の『巻頭言 ”随縁随意”』に掲載された記事がご覧いただけます。

98 (2020)|97 (2019)|96 (2018)|95 (2017)|94 (2016)|93) (2015)|92 (2014)|
91 (2013)|90 (2012)|89 (2011)|88 (2010)|87 (2009)|

第98巻(2020)
12号コロナ禍の頃
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清水 浩
11号横の「糸」の大切さ
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大利 徹
10号COVID-19の後
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児島 宏之
9号漫文
pdf
川瀬 雅也
8号人類が身に付けた3つの特殊能力
pdf
今井 泰彦
7号科学者にとってのwell-being
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片倉 啓雄
6号日本のお酒を世界へ
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後藤 奈美
5号ノーベル賞受賞者から香る研究観
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田口 精一
4号バイオ戦略2019
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横田 篤
3号人工知能と工学の可能性
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三宅 淳
2号研究の巡り合わせ
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柏木 豊
1号仮説を証明する
pdf
髙木 昌宏
第97巻(2019)
12号アカデミアによる工学研究
pdf
高木 睦
11号実証研究を考える
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本多 裕之
10号「My hunch is ..(. 私の勘だと……)」または「私のゴーストがそう囁く……」
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加藤 純一
9号微生物の学名と分類学が基盤となるもの
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鈴木 健一朗
8号日本酒が面白い
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西村 顕
7号複雑な微生物系に挑む
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金川 貴博
6号就任挨拶新会長を拝命して
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髙木 昌宏
(会長)
BioscienceとBioengineeringを両輪として
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神谷 典穂
(英文誌編集委員長)
令和時代の生物工学会誌
pdf
岡澤 敦司
(和文誌編集委員長)
5号卒業研究は楽しく
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太田 明徳
4号バイオものづくりは面白い
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宇多川 隆
3号生物工学会として温故知新
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秦 洋二
2号あなたの研究の顧客は誰?
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栗木 隆
1号いま,大学が求められていること
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山本 秀策
第96巻(2018)
12号次世代を担う若き研究者にエールを込めて!
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倉根 隆一郎
11号企業研究者と大学教員
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堀内 淳一
10号運か才能か
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中山 亨
9号時と生物工学
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朴 龍洙
8号独走的研究のススメ
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養王田正文
7号SGUと学会のグローバル化
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伊藤 伸哉
6号『生物工学会誌』の益々の発展を~和文誌あれこれ~
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稲垣 賢二
5号異業種交流会への期待
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日野 資弘
4号オールドバイオの楽しみ
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下飯 仁
3号新しい研究テーマを立ち上げる
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谷口 正之
2号泥臭い研究とスマートな研究
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辻 明彦
1号技術立国日本における学会の使命と人財の育成
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木野 邦器
第95巻(2017)
12号学問ノススメ
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安部 淳一
11号Vietnam奮闘記
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播磨 武
10号科学の進歩と科学者の貢献
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山田 隆
9号企業はもっと発表を,学会の活性化
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浅田 雅宣
8号Delft Schoolに想うこと
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駒形 和男
7号幸せの無意識的共感のために
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遠藤 銀朗
6号<就任挨拶>新会長を拝命して
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木野 邦器
5号アジア若手国際交流のすすめ
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長棟 輝行
4号生物工学とバイオテクノロジー
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山本 憲二
3号オープンイノベーションに向けて
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清水 範夫
2号研究と経営
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近藤 恭一
1号手なづけられるか人工知能(AI)
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川面 克行
第94巻(2016)
12号楊楓林教授との国際交流
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古川 憲治
11号非公開のオープンイノベーションとは
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広常 正人
10号研究における個性
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根来 誠司
9号思えば遠くへ来たもんだ
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松井 和彦
8号「そうぞう」閑話
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田谷 正仁
7号科学技術立国と大学―ベンチャー経験者からの思い―
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高見澤一裕
6号「世界を視野に地域から始めよう」の研究者人生
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水光 正仁
5号発酵放談
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勝亦 瞭一
4号「ものまもり」バイオへの期待
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土戸 哲明
3号創薬に関する研究に期待
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芳本 忠
2号新たな学際分野の創出と組織基盤強化
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福田 秀樹
1号年次大会の盛況を見て感じたこと
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五味 勝也
第93巻(2015)
12号ある研究者の履歴書から
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中西 一弘
11号地球環境問題に対して我が国はどこまで貢献できる?
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菅 健一
10号発見と発明に関する怪談
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浅野 泰久
9号外国人留学生の育成と支援
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高木 博史
8号酵素阻害剤とくすり
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森原 和之
7号微生物学の発展と広がりの中で思うこと
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松下 一信
6号<就任挨拶>新会長を拝命して
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五味 勝也
5号喜んでばかりはいられない?
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正田 誠
4号これから研究室を立ち上げる方へ
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関口 順一
3号国立大学改革について思うこと
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江崎 信芳
2号糖質制限とミトコンドリア
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永井 史郎
1号伝統は革新の連続~原点を見つめ,能動的に変化していこう~
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倉橋 修
第92巻(2014)
12号言いにくいこと
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大竹 久夫
11号予想を超えた結果に出会うとき
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久松 眞
10号なぜ「休眠遺伝子」なのか?―趣味の研究,道楽の研究―
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越智 幸三
9号研究者マインドの確立のために
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河合富佐子
8号企業研究者として
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恒川 博
7号研究者,技術者に大切と思うこと
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藤井 隆夫
6号歴史は繰り返す?
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山根 恒夫
5号ヒトの遺伝子を解析して感じたこと
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高木 敦子
4号アンチエイジングと発酵β-グルカン
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岡部 満康
3号次世代を担う個性(=独創性)豊かな人材育成を夢見て
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小埜 和久
2号産学官連携におけるコーディネーター(人)の役割
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西野 徳三
1号夢を紡ぐ、夢を繋ぐ
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園元 謙二
第91巻(2013)
12号産学官連携と技術者視点
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下田 雅彦
11号学生に技術士を勧めよう
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浅野 行蔵
10号国公立大学における教育研究費に想う
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林 英雄
9号われわれはタンパク質を理解しているだろうか
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大島 泰郎
8号「科学」と「技術」
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高木 昌宏
7号医療イノベーションと知財教育
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石埜 正穂
6号就任あいさつ新会長を拝命して
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園元 謙二
会員が欲する情報の発信をめざして
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藤原 伸介
5号中国での共同ラボに託した夢の実現に向けて
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木田 建次
4号実中研の歴史と未来
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野村 龍太
3号新しい時代への飛躍
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五十嵐 泰夫
2号オープン・イノベーションの本格化を目指して
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塚本 芳昭
1号生物工学会100周年に向かって
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柳 謙三
第90巻(2012)
12号時代の目
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奥田 徹
11号連携のすすめ
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島田 裕司
10号無から有,組織,分からせる
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中西 透
9号大学の第三の使命
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杉山 政則
8号京都大学の産学連携について御存じでしょうか?
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牧野 圭祐
7号天からの贈り物
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石川 陽一
6号ものづくりに想うこと
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坂口 正明
5号3.11からの再出発における科学の役目
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林 清
4号イノベーションの起こし方
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松永 是
3号分野融合の難しさと易しさ
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湯元 昇
2号研究者の楽しみ
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木村 光
1号年頭所感ー学会創立90周年を迎えてー
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原島 俊
第89巻(2011)
12号バイオマス利用研究のすゝめ
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鮫島 正浩
11号信心の師となるも心を師とするなかれ
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神尾 好是
10号秋入学に想う
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棟方 正信
9号生物の多様性と若者への期待
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大宮 邦雄
8号若者よ,Hazardous Journeyを目指せ!
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今中 忠行
7号“大学教授生態論”の序文
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緒方 靖哉
6号就任挨拶-学会創立90 周年から 100 周年への飛躍を目指して
PDFダウンロード
原島 俊
5号時代の変化に応じた国際学術交流を
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石崎 文彬
4号健忘症に対するささやかな抵抗
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谷口 誠
3号バイオマス活用の促進に向けて
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兒玉 徹
2号麹菌と溶姫
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北本 勝ひこ
1号若手研究者・技術者の人材育成のついて思うこと
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奥村 康
第88巻(2010)
12号事業仕分けと世界一
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土佐 哲也
11号生物と工学のギャップを埋める“生命の神秘”
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阪井 康能
10号微生物増殖学のすすめ
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福井 作蔵
9号日本生物工学会 うたかたの記
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山田 靖宙
8号未来技術の予測と検証のすすめ
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古川 謙介
7号研究者よ,名を残せ
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依田 幸司
6号新しい産業革命の渦中にあって
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植田 充美
5号E-バイオの幕開け
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石井正治
4号アジアにおける今後の国際交流活動のあり方
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小林 猛
3号「科学者」からの提言
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室岡 義勝
2号テロワールと生物工学
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清水 健一
1号日本生物工学会のゆくえ
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飯島 信司
第87巻(2009)
12号パステルカラーの遺伝子組換え
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伊藤 清
11号日本の技術の国際競争力―東南アジアにおける環境ビジネスを例に―
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吉田 敏臣
10号魅力が失われつつある職業研究者についての独り言
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鎌形 洋一
9号断想:五十年は一昔
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左右田 健次
8号水に生きるバイオ-微妙な感性-
PDFダウンロード
佐々木 健
7号日本微生物学連盟の設立とIUMS2011札幌
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冨田 房男
6号<就任挨拶>新会長を拝命して 
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飯島 信司
放線菌って,どんな生物?
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宮道 慎二
5号環境・バイオマス研究のあらたな取り組みへ
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長島 實
4号チェンジ―英文誌アジアにおける生物工学分野のトップジャーナルへ!!
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大竹 久夫
3号不確実にこそ新たな可能性あり
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森永 康
2号和菌洋才
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加藤 暢夫
1号若き生物工学研究者に期待する
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手柴 貞夫

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生物工学会誌 –『巻頭言 “随縁随意”』
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Published by 学会事務局 on 28 10月 2009

【本部だより】公益法人制度の施行と日本生物工学会

公益法人化検討WG委員長:加藤 純一
庶務担当理事:清水  浩

本年「生物工学会誌」6月号,およびHPに掲載された飯島信司会長の就任の挨拶にもありますように,平成20年12月1日をもって公益法人制度が施行され,日本生物工学会も従来の社団法人から何らかの新しい組織へと生まれ変わる必要があります.

日本生物工学会の理事会・支部長会では塩谷捨明前会長の時代から,継続的にこの問題について検討を重ねてまいりました.我が国の生物工学の進歩普及を図り,もって学術の進歩に貢献してきた日本生物工学会としては,この際,公益法人の道を目指すべきであると考えています.公益法人化に向けた取り組みの現状,認定後の予想される当学会の姿をご説明申し上げ,会員の皆さまからのご意見を頂戴したいと考えています.

1.公益法人とは

重要なポイントは,公益法人化は平成20年度に施行されました公益法人制度により,法的に公益性基準を満たした場合にのみ認められるということです.多くの会員の方は,学会のようないわゆる一般常識に照らして公共性のある活動をしている組織は,公益法人として認定されることは当然のことと思われるかもしれません.公益社団法人として認定を受けようとする社団法人は,法的な公益性基準に基づいて事業の公益性を主張した上で,認定法に基づいて国会同意を得て選ばれた委員より構成される公益認定等委員会に申請し認定を受ける必要があります.当然,公益性を担保するための活動内容が求められ制約も受けます.ここでは,公益法人として認められた場合のメリットとデメリットについて述べます.

2.公益認定を受けるメリットとデメリット

学会が公益社団法人認定を受けるメリットは何でしょうか? 図1ではメリットの項目を挙げ,同時にデメリットを示しています.日本生物工学会が公益社団法人として認定されますと,

 図1. 公益社団法人認定の流れ

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【メリット】

  1. 公益性に基づく,従来の学会活動との整合・地位向上
    従来より行われてきた日本生物工学会の生物工学分野における数々の学術活動の重要性が広く認められ,一般の方への認知度が高まります.
     
  2. 学問分野,会員の社会的地位向上;社会的信用の維持
    学会の社会的信用やブランド価値が向上します.学会員の社会的地位向上に直結するばかりか,次世代の優秀な生物工学研究者が集まることにつながると考えています.
     
  3. 組織を見直すことによる学会活性化の機会
    学会の恒常的な活動・組織の見直しによって学会が常に活性化することにつながります.公益社団法人に一度認定されたとしても公益社団法人に留まるためには,認定を永続的に満たす必要があります.これは活動の制約にもつながりますが会員の学会活動に公益性があるという自負,絶えざるチェックにもつながります.
     
  4. 税務上の優遇措置(公益法人)の享受
    公的に公益性のある組織として認められた場合,税務上の優遇措置を受けることができます.
     
  5. 税務上の優遇措置(寄附者)の享受
    寄附者に対しても税制上の優遇措置があるため,寄附を受けやすくなります.

 

【デメリット】

  1. 公益認定基準による活動の制約
    公益性の認定基準を受ける必要があり,事業内容の50% 以上は公益性を持つものでなければなりません.営利目的のあるような事業については制約を受けます.会計上も,支部活動,研究部会活動などと連結決算をする必要があるため,事務的な負担も増えます.
     
  2. 行政庁による厳しい監督
    公益認定を受けた場合,申請時のみならず,継続的に行政庁による厳しい監督を受けると予想されます.
     
  3. 公益認定の取消しを受けた場合のリスク
    なんらかの理由で公益認定の取り消しを受けた場合,それまでに築かれてきた信用を失い,解散ということもあり得ます.


以上のように,公益法人として認定を受けた場合のメリットとデメリットを比較すると,メリットの方がきわめて大きいと考えられます.社会的な信用が向上すれば数々の競争的資金の獲得においても有利になる可能性が高いのではないかと考えられます.

3.日本生物工学会の事業は公益目的か?

改めて,現在日本生物工学会が行っている事業は,公益目的の事業であるか見てみましょう.学会HPに掲載されています定款,各年度の本部,支部,研究部会の事業は公益目的事業の判断基準として挙げられる「不特定多数者の利益の増進に対する寄与」,「受益機会の公開性」の2点と整合しています.

法律では,公益認定対象事業を23項目に定めていますが,その中で,日本生物工学会の各事業が該当するものとして,
 

  • 1. 学術・科学技術の振興
  • 2. 文化・芸術の振興
  • 4. 高齢者の福祉の増進
  • 7. 児童又は青少年の健全な育成
  • 9. 教育,スポーツ等を通じて国民の健全な発達に寄与または豊かな人間性の涵養
  • 15. 国際相互理解の促進
  • 19. 地域社会の健全な発展
  • 20. 公正かつ自由な経済活動の機会の確保及び促進並びに活性化による国民生活の安定向上
  • 21. 国民生活に不可欠な物資,エネルギー等の安定供給の確保


があります.これをさらに進めるには本部と支部とが一体となった活動が必要ですし,各委員会,研究部会の一体となった活動の充実をはかる必要があります.

また,公益認定を得るためには,将来を展望した定款・諸規程の改定,役員などの選任法の改定,国際的貢献の位置づけ,関連学協会との連携など検討課題が多くあります.例えば,評議員会が廃止され,代議員からなる社員総会の重要性が増します.

現在,多く存在する法人の階層化・差別化につながりかねない今回の公益法人化に際して,現理事会は責任を持って最善の結果を得るよう努力を重ねるつもりです.また,公益法人化に向けて実質的な作業を行う公益法人化検討WGも設けられました.会員各位のご理解とご協力をお願いしたいと思います.

なお,会員各位におかれましては,公益社団法人認定に向けて,ご意見をいただければ幸いであります.

■ 関連記事: 【本部だより】公益社団法人申請 – 新定款案に対するご意見募集-


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Published by 学会事務局 on 08 2月 2009

新着情報 2009年

このページには2009年の日本生物工学会からのお知らせ一覧を掲載しております。

掲載日内容
2009.12.24【本部】生物工学アジア若手賞 受賞候補者推薦のお願い
2009.12.22【JBB】Vol. 109, no. 1をオンライン公開しました
2009.12.22【事務局】年末年始休業のお知らせ
2009.12.22【本部だより】2009 KSBB秋季大会に参加して
2009.12.22【和文誌】第87巻12号の一部をオンライン公開しました
2009.12.22【随縁随意】パステルカラーの遺伝子組換え- 伊藤 清
2009.12.21【年次大会】シンポジウムの開催と運営に関する理事会方針
2009.12.21【年次大会】第62回(2010年)大会シンポジウム公募のお知らせ
2009.12.04【研究部会】第1回若手研究シンポジウム開催報告
2009.11.25【和文誌】第87巻11号の一部をオンライン公開しました
2009.11.25【随縁随意】日本の技術の国際競争力 – 吉田 敏臣
2009.11.25【年次大会】第61回 日本生物工学会大会(2009)後記
2009.11.24【研究部会】第8回脂質工学研究部会講演会
2009.11.24緊急![事業仕分けに関する意見募集](2009/11/24)
2009.11.16JBB Special Issue (APBioChEC’09 講演要旨集)
2009.11.16【JBB】Vol. 108, no.6をオンライン公開しました
2009.11.11【関西支部】第96回醗酵学懇話会のご案内
2009.11.11【関西支部】バイオカフェ&ラボ2009のお知らせ
2009.11.11『別冊キャリアパス』予定配布終了のお知らせ
2009.10.28【本部だより】公益法人制度の施行と日本生物工学会
2009.10.27【会員の方へ】2010年会費請求について
2009.10.26【和文誌】第87巻10号の一部をオンライン公開しました!
2009.10.26SFCテクノロジーシンポジウム 「超臨界流体技術の胎動」
2009.10.26【随縁随意】魅力が失われつつある職業研究者についての独り言 – 鎌形 洋一
2009.10.19スローフード微生物工学研究部会共催行事について
2009.10.19【年次大会】講演要旨集のみの購入について
2009.10.16【事務局より】2010年JBB冊子体有料購読について
2009.10.14【東日本支部】生物工学フォーラムのご案内
2009.10.13【北日本支部】札幌シンポジウム開催のお知らせ
2009.10.05【JBB】Vol. 108, no. 5をオンライン公開しました
2009.09.28【和文誌】第87巻9号の一部をオンライン公開しました!
2009.09.28【随縁随意】断想:五十年は一昔 – 左右田 健次
2009.09.28第61回日本生物工学会大会 – 閉会しました
2009.09.19【東日本支部】第4回 学生発表討論会のお知らせ
2009.09.15日本生物工学会シンポジウム(12月19日)のご案内
2009.09.11【事務局】不在のお知らせ(9月21日~25日)
2009.08.27【JBB 】ScienceDirectのアラート機能について
2009.08.27【JBB】Vol. 108, no. 4をオンライン公開しました
2009.08.25【和文誌】第87巻8号の一部をオンライン公開しました!
2009.08.25【随縁随意】水に生きるバイオ – 微妙な感性 – 佐々木 健
2009.08.25大会実行委員会より- 「ようこそ名古屋へ」
2009.08.24【中部支部】ミニシンポジウムのご案内
2009.08.21【JBB】ScienceDirect Article RSS Feedについて
2009.08.21【年次大会】事前参加申込の受付を終了しました。
2009.08.19平成21年度「日本生物工学会関西支部助成」募集
2009.08.17【本部】2009年度大会 プレス発表会のご案内
2009.08.06【JBB】Vol. 108, no. 3をオンライン公開しました!
2009.08.05【本部行事】平成21年度 技術セミナーのご案内
2009.08.05【和文誌】第87巻7号の一部をオンライン公開しました!
2009.08.05【本部】平成21年度学会賞受賞者決定
2009.08.05【随縁随意】日本微生物学連盟の設立とIUMS2011-冨田 房男
2009.08.04【事務局】夏期休業のお知らせ
2009.07.31【JBB】Articles in Pressの特許出願等への影響について
2009.07.27【西日本支部】生物工学先端セミナーのご案内
2009.07.27【若手会】夏のセミナー報告
2009.07.21【JBB】Vol. 108, no. 2 をオンライン公開しました
2009.07.17過去の年次大会一覧を掲載しました
2009.07.15【JBB】Articles in Pressを開始しました
2009.07.03【JBB】Vol. 108, no. 1をオンライン公開しました!
2009.07.02【関連リンク】微生物産業利用支援データベース追加
2009.06.26【JBB】2008年インパクトファクターについて
2009.06.25【JBB】JBB Cover Contest 優勝者決定
2009.06.25【和文誌】第87巻6号の一部をオンライン公開しました!
2009.06.25【会長挨拶】 飯島 信司会長(2009年6月)
2009.06.25【随縁随意】放線菌って,どんな生物?-宮道 慎二
2009.06.16【年次大会】2009年度大会参加申込受付中!
2009.06.01【年次大会】講演申込受付を終了いたしました!
2009.05.25【本部】生物工学懇話会 講演プログラム変更について
2009.05.25【和文誌】第87巻5号の一部をオンライン公開しました!
2009.05.25【随縁随意】環境・バイオマス研究のあらたな取り組みへ
2009.05.25【中部支部】中学生対象体験型講座 「つくろう!バイオエタノール」
2009.05.25【北日本支部】仙台シンポジウムのご案内
2009.05.18【JBB】Vol. 107, no. 6をオンライン公開しました!
2009.05.11【年次大会】講演申込・講演要旨登録受付中!
2009.05.11【年次大会】参加申込み受付を開始しました!
2009.04.28【会員の皆様へ】メールアドレス登録ご協力のお願い
2009.04.27【和文誌】第87巻4号の一部をオンライン公開しました!
2009.04.27【随縁随意】チェンジ – 英文誌  大竹 久夫
2009.04.24【JBB】Vol. 107, no. 5をオンライン公開しました!
2009.04.24事務局休業のお知らせ
2009.04.23【JBB】Articles in Pressの開始について
2009.04.10【事務局】平成21年会費 口座振替のお知らせ(4月23日)
2009.04.05【若手会】夏のセミナー2009のご案内 (2009/7/4-5)
2009.04.01【年次大会】大会ホームページをオープンしました!
2009.03.30【JBB】Vol. 107 no. 4をオンライン公開しました!
2009.03.26【本部】日本生物工学会2009年大会のご案内 (2009/9/23-25)
2009.03.25【本部】第14回生物工学懇話会のご案内 (2009/5/29)
2009.03.25【本部】平成21年度総会・評議員会のお知らせ(2009/5/29)
2009.03.25【和文誌】第87巻3号の一部をオンライン公開しました!
2009.03.25【随縁随意】不確実にこそ新たな可能性あり – 森永 康
2009.03.16【和文誌】 転載許可・機関リポジトリへの登載条件
2009.03.12【JBB】ご所属先でScienceDirectのアカウントを取得済みの方へ
2009.03.09【JBB】Vpl. 107, no. 3をオンライン公開しました!
2009.02.26【和文誌】第87巻2号を一部オンライン公開しました!
2009.02.26【随縁随意】和菌洋才- 加藤 暢夫
2009.02.19【JBB】Vol. 108 表紙図募集のお知らせ
2009.02.18【随縁随意】若き生物工学研究者に期待する- 手柴 貞夫
2009.02.13【JBB】Vol. 107, no. 2をオンライン公開しました!
2009.01.27【和文誌】 第87巻1号 一部オンライン公開しました!
2009.01.27【本部】平成21年度 各賞受賞候補者推薦のお願い
2009.01.27【本部】平成21年度 研究部会設置申請募集
2009.01.15【本部】 生物工学アジア若手賞受賞候補者推薦のお願い
2009.01.15【JBB】 JBB第107巻1号をオンライン公開しました!
2009.01.14【西日本支部】 支部シンポジウム開催のお知らせ (2009/3/7)
2009.01.09【JBB】 EES連絡アドレス変更のお知らせ
2009.01.09【年次大会】 シンポジウムの公募は終了しました!